特許分割出願の重要ポイントとは?
特許分割出願の重要ポイントについて解説します。

特許分割出願の重要ポイントとは?

特許出願に多数の発明を盛り込むと、一部が拒絶された際に全体の権利範囲が制限されるリスクがあります。


この問題に対処する手法として「特許の分割出願」が活用されています。
分割出願は元の出願を分割して複数の出願にし、それぞれ独立した権利を取得する方法です。
分割出願により技術の細分化と権利強化を同時に実現し、競争優位を築く戦略が増えています。


一方で、適切な分割出願のタイミングや費用管理は課題です。
「メリットは理解できるが、いつ出願すべきかイメージが湧かない」
「追加費用がどの程度か不安」
といった声が多く聞かれます。
また、特許庁の審査状況や東京の技術市場を踏まえた効果的なクレーム設計も簡単ではありません。


そこで、分割出願の重要ポイントや注意事項を整理してみました。


特許分割出願の重要ポイント


特許分割出願を成功させるには、手続き以上にタイミング、権利範囲設定、費用、スケジュール管理の総合的戦略が不可欠です。
特許法上、分割出願は原出願の分割可能期間内に行う必要があるため、先を見越した戦略設計が必要です。
複数の発明を含む場合は、発明毎の権利範囲の適切な区分が必須で、これにより将来の侵害訴訟や交渉で強固な権利主張が可能となり、競争の激しい市場で優位に立てます。


区分を怠ると審査で拒絶理由が通知された際に、補正や分割を適切に行うことが難しくなり、必要以上に権利の幅の縮小や審査遅延のリスクが高まります。
分割を単なる手続きではなく、市場戦略に直結する権利構築の重要ステップとするには、請求項の選定と権利範囲の設定が開発・販売計画に直結します。


また、費用・スケジュール管理も重要です。
分割出願増加に伴う追加の出願料・審査請求料がかさみ、各出願で独立した審査請求が必要なため特許取得までの時間管理が難しいです。
企業の規模やフェーズによってコスト許容度が異なるため、資金繰りを考慮した効率的スケジュール管理が求められます。



このように特許分割出願は技術価値評価、市場分析、費用対効果検討を含む戦略的意思決定が欠かせません。


特許分割出願の注意点


特許分割出願を行う際は、補正や拒絶理由対応の制約、権利範囲設定による権利間の影響、期間管理の厳格化、専門家の関与、戦略的活用が重要です。


分割出願は原出願の内容に限定されるため、請求項の追加や大幅な変更は原則認められません。
技術競争が激しい環境では、請求項を拡充したいニーズが高いものの、分割出願の制約が障害となります。したがって、補正可能性や先行技術への対応を分割前に検討し、必要に応じ複数の分割出願を計画することが重要です。


また、分割出願により独立した複数の特許権が生じ、技術分野が重複すると権利の統合や包括的行使が困難になり、管理コストも増加します。将来的に複数の分割特許を統合したい場合は権利併合手続きやライセンス管理が複雑となり、権利範囲の設定を慎重に行う必要があります。


さらに、分割可能期間の管理も重要です。
日本では原出願が査定後一定期間内に分割出願を行わなければ分割の権利を失います。
忙しい企業では審査進捗の管理が疎かになりやすいため、期限管理を徹底し、分割出願の審査請求も忘れてはなりません。


最後に、分割出願に伴う権利の細分化は技術活用や交渉面で有利になる場合もありますが、権利の複雑化により知財活用が難しくなるリスクも含みます。
したがって、分割出願と同時にライセンス戦略や技術提携、競合監視体制を整えて、分割出願の効果最大化とリスク低減を図るべきです。


このように、特許分割出願は手続き面だけでなく補正制限、範囲設定による権利管理、期限厳守、戦略的権利活用まで多角的に配慮が求められます。


よくある質問と対策

特許分割出願に関し、東京の企業様から多い質問とその対策を実務経験に基づきまとめました。


Q1:分割出願はいつすべきですか?



A1:分割出願は原出願の補正ができる期間、特許査定の謄本送達日から 30 日以内、最初の拒絶査定の謄本送達日から 3 月以内までに行う必要があります。
発明が複数あり独立性が明確な場合は、出願直後に検討を開始し、権利範囲の明確化や審査請求の時期調整が効果的です。
審査官から「一出願に複数発明」と指摘されたら応答期限までに分割し、それぞれ独立して審査を受けることで特許取得の機会を増やせます。
複数分割による出願で審査請求を分散し、資金や優先度を考慮して権利化を進めることができます。


Q2:分割出願の請求項記載の注意点は?



A2:請求項は原出願の範囲内に限定され、発明の独立性や請求項間の包含関係、進歩性を踏まえて記載します。
先行技術との差別化だけでなく、分割後の権利関係や競合製品を権利範囲内に取り込んで将来的なライセンスの可能性も視野に入れます。


まとめと結論


研究開発・製造企業が生み出す多様な技術を効果的に権利化するうえで、特許分割出願は非常に有効な手段です。
単一の出願に複数発明を含めると拒絶理由が生じやすく、権利範囲も限定されやすいため、分割出願で発明を適切に分類して独立した特許権を取得することが、権利強化と事業戦略の両立に繋がります。


特に技術分野が多岐にわたり競争も激しい場合、分割出願のタイミングや請求項の記載が特に重要です。
初期段階で発明を整理し分割可能期間を把握することで、権利保護の成功に大きく影響します。また、分割出願は費用負担も伴いますので、審査請求の戦略調整が必要です。これによりコストを抑えつつ効率的な特許化が実現します。


分割出願は単なる手続きの分割ではなく、企業の知財戦略を支える重要な局面です。
市場展開のスピードを意識しながら特許権の有効期間と権利範囲を最適化し、競合他社に対する競争優位を築くことを目指しましょう。

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